バリアフリー=段差なし?

2017.11.20

こんなことありませんか。

バリアフリーのつもりが段差が残った

居室の間取りを換え、内装も一新、浴室や洗面所など水回りも新しくする
リフォームをした方の事例


「せっかくリフォームするのだから、将来に備えて完全にバリアフリーにしたいと業者に依頼したところ、完成してみると廊下とリビングの入口に1センチの段差、脱衣室と浴室の間に5センチもの段差ができてしまった」


ありがちな完成トラブルと言えなくもないですが、どうしてこのような結果になったのでしょうか。

原因は依頼主(発注者)と業者の「バリアフリー」の認識の違い。説明不足。にあると考えられます。

〇 発注者は段差を全てゼロにすることがバリアフリーと考えており、業者も当然そう理解  しているものと思っていました。

〇 業者は段差はできる限り少ない方が良いと考えてはいるものの、技術的に段差0ミリは  困難な個所、段差0ミリにしようとすると過大な工事になってしまう箇所については、
少しの段差は許容されるものと思っていました。

こうした認識の違い、コミュニケーション不足の問題を生じさせないためには、計画の段階で発注者は自分の要望をはっきり伝える、業者は全く段差ゼロの技術的可否、理由を説明し、お互い十分に納得したうえで工事にかかることが最善です。

特に段差をまったくゼロにすることは、床や出入口ドア・戸を全面的に改修することで実現できることが多く、少しの間取り変更では困難な時もあります。

また段差0ミリをするために、大きな工事になってしまうようでは、費用と効果のバランスからもおすすめはできません。

実際、数ミリ程度の段差は「なし」と認識することが多いです。


では「段差なし」とは。。

バリアフリーに関する基準では完成形で「5mm以下」が「段差なし」とすることになっています。

これは当社でも、バリアフリーに関する工事の時は最初に説明しています。
(実際工事では3mm以下になるようにしています)

ですので、先述のように1センチや5センチの段差は無視できないことになりますし、着工・解体後の現場の状況で、どうしても出来てしまう場合は図などで説明し、代替方法を提案することが必要と考えられます。

また、完成した箇所を壊して造り直すということはお互いに避けたいことでもあり、後味の悪い印象になってしまいます。



その業者さんも長年やっていると、「これが常識」「(お客様が)分からないところが分からない」などプロ目線で考えるようになります。

プロだからこそ、丁寧な説明を心がけるなど、誤解をなくすために最善の努力をし、発注者とイメージを共有することが大切だと改めて思いました。





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